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見た目にもかわいらしい北米や北欧の家…でも、素晴らしいのはデザインだけではありません。激寒の冬でも室内は快適に過ごす事ができます。
これは暖房器具の違いなどという事ではなく、「家造り」に秘密があったのです。そしてそれは、「健康」で「快適」な暮らしに繋がる事でした。
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| 2012年03月09日 |
「長期優良住宅」という数年前にできた制度があります。住宅がこの認定を受ける事によって建物の性能レベルが判定され、住宅ローンの金利が少し下がるそうです。良い事づくしのようですが、その認定をオーダー住宅で1から取ろうとすると、金利の下がった分以上に書類審査の費用が掛かってしまい、加えて用意する時間もかなりかかります。
大きなハウスメーカーはあらかじめ何十種類も家のパターンを造り、事前に用意しておいたそれぞれの書類からお施主様に選んで頂いた住宅の認定書をすぐに発行できる体制にしているようです。この制度は大手会社が有利ですので「工務店殺し」といわれておる所以です。
私達工務店はそんな用意周到に事前の準備ができるはずもありませんので、その対策として会社が集まって資金を出し合って組織を作り設計士にパターンをたくさん作ってもらい、それぞれあらかじめ認定を受けておく。お施主様にはその中から選んで頂いてハウスメーカーと同じように対応する…という事をしようとする流れができつつあります。
いずれにせよ、ファミリーレストランのメニューの中から「お好きなものをお選び下さい」というような単純な流れに、国は持って行きたいようです。当然その方が品質は安定するでしょう。もっと言えば真四角で総二階の形が一番丈夫なわけですから、そんな家ばかりになる事を望んでいるのでしょう。これだけ住宅の工法が多種多様だと検査機関も管理しきれないので、形だけでも単純にしなさいと言う事なのだと思います。
日本の住宅事情は大変複雑なので、それもやむをえないかもしれません。消費者の立場かすられば、食品のように数値で表されるのは安心でしょう。しかしこれに取り組むには、まだ引っかかる事があります。長期に家を持たせる為には「資材を適切に使う」事はもとより、「それによって出来たものに愛着が持てるどうか」が大変重要となります。この辺が霞ヶ関のお役人が造った制度なので完全に欠落しております。
家具で例えてみます。カラーボックス等のホームセンターの家具は丈夫で値段もそこそこ、引出しやら稼動する棚など色々な機能も付いて、丁寧に扱えば半永久的に使えるでしょう。「長期優良家具」とも言えます。
ところが、その多くは新築の引越し時に捨てられるか、納戸の隅に追いやられてしまいます。理由は「新築には合わないから」が多いのですが、長く使われたとしても世代を超えて引き継がれる事はまずないでしょう。反対にアンティークと呼ばれる家具は、機能など何も無くても修繕や再塗装を繰り返し、どんどん値が上がっていきます。
いくら丈夫で機能が良くても愛着の湧かない物はこのような結末を迎えてしまうのですが、こと長期優良住宅の制度は、ただ丈夫さや使いやすさだけを数値化して「長期優良」と判定しております。つまりカラーボックスは「長期優良家具」ですが、アンティーク家具はそれの対象ではありません。この辺が納得がいかないので、長期優良住宅に取り組まない会社はたくさんあります。
国内外に関わらず、100年以上もの時を経て現存している住宅を見ますと、残されてきた物には一定のパターンがあります。東大寺や法隆寺、あちこちにあるお城やお寺、あれらが長期優良を満たしているか?…決してそんな事はありません。大昔の物ですので、決して機能性能的には優れているわけではありません。しかしそこに本当の「長期優良」のヒントがあると思います。あれらは「愛着」を持ってもらえたので何百年も修繕されながら今日まであるのです。むしろ丈夫さや機能なんかよりも、そちらの方が大切かもしれません。
長期にわたって「持つ」ものと、「持たせてもらう」ものは違います。「持つ」だけであればカラーボックスで充分でしょう。「持たせてもらう」ためには、そこに愛着をもたせる「何か」を吹き込む必要があります。丈夫で機能的、更には長期にわたって「愛着」を持ってもらえる「何か」…これが一体となって、初めて欧米のような「長期優良住宅制度」が完成すると思います。実は、欧米を訪問すればそんな住宅はそこ等じゅうにゴロゴロありますので答えは解っておりますが、日本がそこに行くには気の遠くなるような時間が必要でしょう。
しかしこの制度の一番怖い点は、上記のような理由があるにも拘らず、それに取り組まない会社の住宅は「長期に優良な住宅ではない」と一般の方には誤解されてしまう事です。能書きはさておき、この流れに当社は今後どう取り組んでいくべきか…アンティークの家具をじーと眺めながら考えております。 |
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